お茶の時間
こんばんは、元旦に久しぶりにわいわいした場所に行ったdoraです。
新年最初の読書は、益田ミリさんの「お茶の時間」(講談社文庫)でした。
益田さんの描く「お茶の時間」は、誰もが一度は生活の中で感じたこと、考えたことが描かれています。ゆるっとした絵とシンプルな文章で、読みやすいのはもちろんのこと、読んでいるだけで、まるでお茶しに入ったような気持ちになれます。
今まで当たり前にありすぎて気づかなかったのですが、振り返ってみると、私にとっての「お茶の時間」は、なくてはならないものでした。基本的に落ち込みやすい性質のわたしは、なにかあるとすぐにカフェや喫茶店に向かって、ひとりぼんやりしたり、何かを書き留めたりしていました。都会の中でも、田舎でも、今いる場所や役割から抜け出して自分だけの時間と空間を、一時的でも得たかったのでしょう。
ひとりのときだけでなく、母や友達とも、「どこかでお茶しない?」は知らず知らずに合言葉となっていました。大切な人と行くときのお茶は、いつの間にか小さく小さく親密さを積み重ねていく時間だったのかもしれません。
考えてみると、「お茶の時間」は、はっきり言って人間の生命活動にはなんにも関係ありません。お茶や甘いものは、別に生きるための栄養素としては必須というわけではないからです。
ただ、私にとってはなくては困るもの。ある意味、私の生活にとっては、すっごく大切なものです。そして、その時間を友達や家族などの大切な人と、自分自身と過ごすかけがえのない時間なのだと思います。