doraの空想茶室 物草庵

日常のなかに、ホッとするひとときを。

旅のカケラ―ドイツ・ライプツィヒ


こんばんは。明後日からどんどん暑くなっていきそうですね、doraです。

今夜はドイツ旅第三章をお届けします。前回はドイツで孤独を味わいつつ旅を続けていたお話でした。
前回見てない方は、こちらへ⇒
https://dorateahouse.hatenablog.com/entry/2020/02/09/203658

はてさて旅の続きです。一人さまよっていたベルリンから移動して会った仲間とは―?それでは、どうぞ!

第三章 仲間のおかげ!いちばんの幸せを感じたライプツィヒ


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大きなベルリンの駅から、はじめて違う街へ向かう。ベルリンでは、全ての乗り物に乗った。Uバーン(地下鉄)、バス、トラム(路面電車)…


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Sバーン(近郊鉄道)ほどの長距離移動は初めてだ。とりあえず時刻と事前に落としていた電車のアプリで確認する。
にもかかわらず…思いっきり間違えてしまった。最初はものすごい勢いで過ぎ去ってゆく景色を眺めるのが楽しかった。あまりの勢いに上の棚に置いたかばんが転げ落ち、男の子が丁寧に拾い上げて渡している様子にくすっとするくらいの余裕があった。そうして、今どのへんかな、とグーグルのマップの現在地を見てみた。その瞬間、顔が白くなる。明らかに違う方へ電車が向かっていることに気づいたからだ。
これはやばい!だが、どうしたらいいのだろう?すっかり話しかけるのに消極的になっていた私は、他の乗客に声をかけることがなかなかできなかった。だけど、これはどこかで方向転換せねばならないのだ。ええい。
"Excuse me…"
とりあえず近くの女の子に声をかける。不思議そうに見つめる高校生くらいの女の子に必死に場所を説明して、ここに行きたいと伝えてみる。多分あちらもあんまり英語ができないみたいだが、なんとなく察してくれて、アプリを示してくれた。私の携帯は、wifi環境にないと使えないから助かった。その後、添乗員の男の人も捕まえて、次の駅で降りてバックしろと言われた。お金がぎりぎりだったのでもうエクストラでお金は払えない。間違えたんだと必死で説明すると、大丈夫だからと取り合ってくれない(今思えば、許してくれたんだな…)。
とりあえず、言われた通りにした。次の駅で降りて、反対側のホームへ。次の電車は15分待ちだそうだ。その間はもう不安しかない。見渡せば開けた空間に、広々と青空と向こう側の小さな街。ここに残されたら何もなすすべがない。電車に乗るまでは、合ってるのか、これで?とか、ずっとここにいることになったらどうしよう?と考えまくっていた。

結論を言うと、電車は来た。そして、無事にバックして、向かう街であるライプツィヒに着いた。本当にようやく、である。
とりあえず、直行でその場所に向かった。そこは「日本の家」、そのまんまなネーミングだ。

青髪の女の子やピアスを開けまくった男の子が歩いているような通りに、そこはあった。そろーっとドアを開けると、突然の私の出現にも、あんまり驚かず、男の子が「いらっしゃい」と声をかけてくる。
「まあこっちにかけなよ」
久しぶり(といっても一週間ぶり)の日本語と温かい言葉に、なんとなく安堵して、私はいろんなことを話した。自分が心細かったことやベルリンに一週間いたことなどなど…
「で、結局ドイツに何しに来たの?」
私のとりとめもない話を聞いていた男の子はズバッとついてきた。確かに、私は住むためにドイツを見に来ようと思ってたのに、観光ばかりしていた…ぼんやりしている私を励ますように、「とりあえずなにか飲みなよ」とドリンク表を渡してくる。
あとから聞いたのだが、彼はまだ18歳。大人びた雰囲気もありつつ、あどけなさの残る、高校生の歳だ。だが、ドイツに来て半年ほどらしいが、すっかり雰囲気に馴染んでいた。そうして、自由に空気を吸っている、そんな感じだった。

他にもいろんな年代の人がいた。夜には、みんなで公園でキャンプファイヤーをしながら、食べ物片手に語り合った。音楽と火と素敵な人、それがあればこんなにも幸せに感じるのだと知った。


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そうして、ここで知り合った人たちと小旅行にドレスデンのあたりまで行ってハイキングしたり、街に出てアイスを食べたり、イースターの集まり(ちょうど行った日がイースターの日に重なっていた)に顔を出したりした。ここで出会った人たちは、昨日会った私にも優しく接してくれる人ばかりで、心が安らいだ。本当に仲間になったみたいだなあ…と実感したのだ。もうここで旅を終えていいか、とか、本当にビザをとってここにいようか迷ったあげく、別れを告げて、私は次なる場所へ旅することに決めた。

いかがでしたでしょうか?今回の旅では、仲間っていいなあ、とほんとに思いました。振り返ると、出会った仲間が私の旅を形作り、彩ってくれていました。改めて感謝!

みなさんも、長らくお付き合いありがとうございます。明日でいよいよドイツ旅、最終回を迎えます!それでは今夜は良い夜の旅を〜