doraの空想茶室 物草庵

日常のなかに、ホッとするひとときを。

旅のカケラ―ドイツ・ヴァイマール


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こんばんは。今日は、寒いですね、doraです。

本日は、ついにドイツ旅最終回!
前回の話を忘れた方は、こちら
https://dorateahouse.hatenablog.com/entry/2020/02/10/201512

安住の地を離れたのは、ある目的とは?その旅で気づいたこととは―?それでは、はりきって、どうぞ!

最終章 一人になって目的の場所へ ドイツとのお別れ


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一人でまたもSバーンに乗る。ヴァイマールという場所へ行くためだ。ここに行くことは、私の中でも決めていた。

はやくも理由を言ってしまうと、そこにある、バウハウスに行きたかったからだ。バウハウスとは、簡単に言うとデザイン教育学校のことだ。
※詳しく書いてある記事がありましたので、もっと知りたい人は参照にしてみてくださいhttps://dorateahouse.hatenablog.com/entry/2020/02/10/201512

デザインの出身でもなんでもないが、見るのは昔から好きだった。大学のときも地方のお土産パッケージのデザインを眺めていた。なんだかそれぞれの思いやその物の良さを汲み取ってうまく表現しているなあ、と。そんな難しいことをいつも思っていたわけではないのだが…とにかく見るのが好きだった。

ちょうどドイツへ立つ少し前に、「pen」という雑誌で、バウハウス特集が組まれていて、そのころ疲れていた私は手にとって、持ち歩きつつときおり眺めていた。もっと前からバウハウスは知っていたのだが、なにとはなしに惹かれた。きちんとバウハウスという場所で育まれた精神に感動したのかもしれない。

とにかく、そのバウハウスの美術館があるヴァイマールには行ってみたかった。そうこう考えていると、小さくて可愛らしいヴァイマールの街へたどり着いた。


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ヴァイマールは、ドイツでは有名な詩人(その他たくさんの肩書を持っている)であるゲーテが晩年過ごした場所があることでも有名だ。来てすぐバウハウスの美術館に行くのもなあと思い、ゲーテの家に行ってみた。音声ガイドが貸し出され、いくつかの言語を選べる。そして、その中には日本語もあった。英語もあんまりわからないから、助かった。音声ガイドにしたがって、順に見て回る。ゲーテがどれほどこの家に手間をかけてきたのだろう。そして、どんなにここへ来る人々を大切にしてきたのだろう。大改造した階段、どの部屋にも置いてある調度品…そして、収集したり、研究していた資料が、まるで図書館のようにきれいに整理してある。ゲーテは晩年、この家でゆっくりすることは叶わず、奥様を残して仕事で遠征に行っていたそうだ。奥様の「ゲーテとともにこの庭でゆっくりしたい」というささやかな願いが叶わなかったという事実に、少し悲しくなった。有名になることと、幸せはまた別なのかもしれない。


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次の日、勢いよく美術館に向かったが、甘かった。ちょうど数週間前にリニューアルオープンしたばかりらしく、国内外からたくさんの観光客が長い列を作っていた。前に並ぶ優しいドイツ人女性と話せたので、そんなに苦にならなかったが、それでも20分くらい経ってやっと入ることができた。相変わらずドイツ語が分からず、理解できないことが多くて悔しかった。でも、そのデザインの美しさ、機械=悪となっていた戦後に機械は美しいものを生み出せると伝えたかった彼らの工夫や努力、その変遷を感じた。


そして、早朝4:00。電車に乗り遅れないかどうか心配で眠れなかった私は、大あくびをしながら、まだ明けない夜の中を歩いていった。憧れていたドイツを見ることができた。それはとても大きかった。夢が夢でなくなったのだ。そして、夢はどんどん叶えてった方がいい。なぜなら、どんどん出てくるからだ。だから、いつまでも持っていると、その思いをずっと続けることになってしまうんだ―。

そう思いながら、私はドイツから旅立った。飛行機が遅れて、トランジットが間に合わず、猛ダッシュアムステルダム空港をひた走ったというおまけ付きで―。

いかがでしたでしょうか?ドイツ旅、最終回でした。いろいろあったけど、総じて良い旅でした。今もライプツィヒには、私の素敵な仲間たちがいるので、また行きたいなと新たな夢ができました。みなさんも素敵な旅へぜひ思い切って行ってみてください。迷ったら、本当に今行きたいところ、行くべき場所はどこ?って自分に聞いてみてください。

それでは今日はここでお別れです。最後までお付き合いくださり、本当に感謝です。リクエストいただいた、Kさんありがとう!

「こんなのが読みたい」、「これが面白かった」などの感想・リクエストもお待ちしてます。旅はまだまだ続きます。みなさん、素敵な夜の旅を!