doraの空想茶室 物草庵

日常のなかに、ホッとするひとときを。

旅のカケラ―インド・ラダック


f:id:dorateahouse:20200126211207j:image
こんばんは。今日は、しばらくぶりに会った人と話して幸せdoraです。

朝の予告通り、少しずつ私の旅の話をしようと思います。題して「旅のカケラ」。旅したときに気づいた小さいことから大きいこと。全て今の私を作っている大切なカケラなのですが、それを少しずつ書き綴っていこうと思います。
一つの物語として楽しんでいただけたら嬉しいなあ。それでは、どうぞ!


前章 近くて遠い国、インドへの道

3年前のことだった。私は巨体のインド人男性ふたりに挟まれながら、デリーの空港で飛行機を待っていた。蒸し暑さにじんわりと汗ばみながら、自問自答する。
今、自分はどこへ行くのか。
何をしているのか。

―分からない。分からないままに、インド人で賑わう空港を眺めて待つことしか、私にはできなかった。

今回私が選んだ旅の行き先は、インドのラダック。就職活動に失敗し、これからどうすればいいか分からず、死んだ目をして過ごしていた日々の中で、友人のSNSの投稿を見たのがきっかけだった。

「東南アジアの旅に出る」

その言葉が久しぶりに私の心のスイッチを押した。ワクワクしたのだ。さっそく投稿していた友人とコンタクトを取る。彼女は、ミャンマーやタイなど東南アジアを回り、そして、彼女が深く関わっている、インド・ラダックに行くつもりなのだという。

昔から母の影響でヨガに慣れ親しんでいた私は、しかしながら汚い、怖いというマイナスイメージもあって、インドは近くて遠い国だった。せっかく生まれた縁なのだと自分に言い聞かせ、この案に乗っかって行こうと決めた。

インド行直前に母に報告すると、「なぜそんなに怖いところへ行くのか」、「行くなら二度と帰ってくるな」と勘当に近いことまで言われたが、私は行くことをやめなかった。

不安な気持ちで揺れに揺れながらも、航空券のチケットを取った。中国でトランジット、デリー経由でラダック・レーに着く便だ。もう行くしかない。

そんなある日、びっくりすることが起こった。肝心の共に行く予定の友人が、ビザトラブルを起こして予定をずらさねばならなくなったというのだ。

ギリギリの予算で取っているため、搭乗日は変更できない。私は友人と行くのは諦め、一人で見知らぬ地へ行くことにした。

行く前は、「なぜチケット取ってしまったんだ」「行く意味はあるのか」「行ったからと言ってなんになるのだ。しかも危ないかもしれないところに」と自分でも考え込み、そのことで頭がいっぱいだった。もんもんと一人悩んでいる最中、無情に時間は過ぎていった。そうこうしているうちに、ついに日本を出るときになった。泊めてもらっていた友人宅を早朝に飛び出し、不安になりながらも一人空港へ向かった。


いかがでしたでしょうか?今回書いてみて思いました。まず旅に出るまでが長い!(笑)みなさんよく読んでくださいました。結構長編になるかもしれないですので、時々小出しにお話していきます。

みなさん、またお付き合いいただければ嬉しいです。それでは今日も素敵な夜の旅を。おやすみなさい。