doraの空想茶室 物草庵

日常のなかに、ホッとするひとときを。

旅のカケラ―インド・ラダック2

こんばんは。最近、久しぶりな人とばかり会っております、doraです。

早速ですが、今日も引き続き旅話をします。さて、旅に出る前からすでにいろいろありますが、ついに出発!どんな旅になるのでしょうか?
それでは、どうぞ!

第2章 やっとラダックへ 旅のはじまり


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出発前からすでにドキドキしていた。私には、インドに入国する前にクリアーしなければならないミッションが2つあるからだ。まずは、中国での乗り換え。トランジットの時間中に、空港から空港への移動をしなくてはならない。本当にこの電車であっているのか、乗り換えも合っているのか。不安とともに電車に揺られる時間は長く感じた。

やっと空港に着いたと思ったら、今度はビザ。私が書類の楽さにふらふらとアライバルビザで行くことにしたのが、ダメだったのかもしれない。今でこそ、インド短期滞在ならアライバルで行けばいいと言えるが、当時は空港でダメだと言われたらどうしよう、ここで強制送還、なんてこともありうるかも。そう思ってしまった。

何度もバクついた胸をもう一度バクつかせながら、カウンターに行く。アライバルビザをとっている人が私しかいない。さらに不安が募る。
私の出した書類をにこやかに受け取った空港の人は、あとは料金だけ払えばオッケーだよ、となんなく突破。あれ?意外と簡単だったのか。そう思いつつ、やっとインドに一歩踏み出した。

ハイシーズンをずらしたからなのか、レー行きは見事にインド人しかいない。なんだこれは…と当惑しつつ、小さな飛行機に乗り込む。機内から窓を覗き込むと、眼科には険しくカッコいい山がどこまでも広がっている。感動のあまり泣きそうになった。なんだ、この雄々しく美しい山は?言葉にならず、そこらへんにあった紙に簡単なスケッチをしながら、頭は山のことでいっぱいだった。

レーの街は、街なのに3000メートル級の高山地帯。高山病になりやすいので、最初はこの気圧にならすために、3日くらいはおとなしくしていなければならないらしい。

初めてのインド、そしてラダック。よくわからない気持ちのままホテルに一泊し、その日は眠った。
常に山が見えるここは、なんて美しいのだろう。私は街をひたすら歩き回りながら、山と街の人々の様子を見ていた。オフシーズンだから、観光客はまばらだ。そんななかウロウロしている日本人が物珍しいのか、お店のおじさんが声をかけてくる。
"Where are you from?"

何回この言葉を言われただろう。そこから、商品は買わなくていいから、こっちへ来い、チャイを飲めと誘ってくる。最初は、絶対騙される、そんな手には乗らないぞと思っていたが、好奇心が勝って何度かお誘いに乗った。何か買わされると心して行ったのだが、結局お茶代すら取られず、ただ話したかっただけらしく、ひょうしぬけした。

ある店に入り浸り、ただただたわいもない話をカタコトで店主と話をしながら、半日過ごしたりしていたときのこと。たまたま私がいたときに客が多かったらしい。
"You're lucky girl! Many people come here,because you are here."
社交辞令だろうと思っていたが、その当時「自分がいるだけでいい、そんな世界はないものか」と考えていた私にはクリーヒットした。「ただいるだけでいい」=Beingだ!そう思った。

その後もみんな出迎えてくれた。日本人女性だからということもあるだろうと思うが、それでも悪い気はせず、好奇心の赴くままに現地の人に話しかけたりウロウロしていた。

 

そんな時間を過ごして数日経ったとき。三日間の瞑想体験に行くことにした。そのときの出会いによって、後半の旅は決まっていくことを、私はまだ知る由もなかった―。


やっと旅が始まりました。最初は街でお店を冷やかしつつ、ただただ食べ、考え、眠り、歩き、生きていた、そんな感じでした。なんでもない日々でしたが、私にとってそれがすごく大事だったのです。

 

次は、この旅の大きな場面についてお話をします。相変わらず長めですが、お付き合いいただきありがとうございました!今夜も素敵な夜の旅を。